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特殊技術研修会の報告と参加者からの声

研修会開催の経過と報告

平成23年度の研修会では、アフラトキシンの通知試験法に関わる課題を採り上げ、その実技研修を例年と異なり8月18日(木)、19日(金)の1泊2日の日程に凝縮し開催いたしました。参加機関は、34機関(42名)で、北海道から沖縄までの広い地域からのご参加をいただきました。

国立医薬品食品衛生研究所衛生微生物部長の小西良子先生には、「アフラトキシン通知法の改正について」のご講義を、また、名古屋市衛生研究所生活環境部長の中島 正博先生と谷口 賢先生には、「イムノアフィニティカラム使用の試験法並びに簡易測定の試験法について」の実技指導をお願いいたしました。

研修会開催に当たっては、当初、開催地での東電による節電対応がどのようになるのか危惧されましたが、事もなく無事開催日を迎えることができました。また、開催日は、今年一番の暑さで、2日目は、急激な気温低下や午後のゲリラ豪雨の状況下、参加者の皆様も何かと対応に苦慮された面も多かったかと推察しております。

研修会開催準備に当たっては、マイコトキシン作業部会の執行委員には、開催の3ヶ月以上も前から、スケジュールの立案、講師の先生方並びに機器や器材を提供して下さった各メーカーの担当者との実習進行上の細かい詰めあるいは実習で使用する器材や試液等の調整等に大変ご苦労をお掛けし、準備、対応をしていただきました。また、国民生活センターからも特段の配慮とご尽力をいただき、研修会の開催に至りました。

実技実習では、先生方や各メーカーの担当者の方々の大変熱のこもった解説や指導をいただき、参加機関の皆様からは大変有意義な実習であったとの声が多数聞かれ、事務局といたしましても安堵しているところです。

この場をおかりして、講師の先生、各メーカーのご担当者、国民生活センター並びに作業部会の皆様方からのご支援とご協力に対しまして、改めてお礼を申し上げます。

なお、研修会終了時に参加者の皆様から提出いただいたアンケート調査結果をまとめた研修会受講についての感想と実習並びに情報交換会等における風景写真の一部を紹介させていただきます。

次年度からの特殊技術研修会への参加のご参考になれば幸甚です。

研修会実施プログラムにつきましては、研修会開催案内をご参照下さい。

アンケート結果の概要 (回答者38名/受講者42名)

1.実習内容について

1) 今後、実際に検査を実施していく上で有意義と思われましたか。また、その理由を聞かせてください。

【結果】
1 非常に有意義であった 30名/38名
2 有意義であった 8名/38名
3 あまり有意義ではなかった 0名/38名
【理由】
  • 研修会開催のちょうど2日前に通知法改正が発出され、タイミングも良く、通知法関連の色々な話を聞くことができたので、大変有意義であった。
  • 試験法の策定にかかわった、小西先生、中島先生が講師、解説、指導をされていたので、試験法改訂の趣旨、背景並びに試験手技等を詳細に聞くことができ、実践的で大変有意義な実習内容だった。
  • 通知法が出たばかりだったため、色々と疑問、質問があったが、実習等を行うことで通知法の文面からのみでは読み取れず分かり難い部分も理解でき、解決できた。
  • 新しい試験法に関する細かなコツ、テクニック、裏技等についての丁寧な説明があり大変参考になった。
  • 各自、実習では使用する複数のメーカーの色々な器材やキット等を実際に手にし、操作することができたので各社の比較ができ、また、検査法のイメージがつかみやすかった。
  • イムノアフィニティカラムは、使用する機会が少なかったので、今回の研修で、実際に作業できてよい経験になった。また、試験操作の細かいポイントや留意点等を教えていただき、これまで検査実務で抱えていた多くの疑問点が解決できた。今後の検査業務においても活かせそうです。
  • これまで使用したことのない簡易測定キットやカラム等について詳しく学べた。検査機関での通常業務中ではなかなか経験できないことを学べた。今後の検査実務に役立てていけると思う。
  • メーカーの説明により、メーカー毎のカラムやキットの違いについて理解でき、また、メーカーの担当者からの説明や諸提案は、今後、検査を遂行する上での参考になった。
  • 他機関の参加者から、その機関での検査のやり方や使用している器具、器材などについても聞くことができ今後の検査を実施する上での参考になり良かった。
  • 実習では、個人が、それぞれ操作させていただいて本当によかった。

2) プログラム進行における時間配分は適切でしたか。また、その理由を聞かせてください。

【結果】
1 適切であった 11名/38名
2 もう少し余裕が欲しかった 26名/38名
3 あまり適切ではなかった 1名/38名
【理由】
  • スケジュールが多少過密だったように思う。
  • 研修内容が盛り沢山で、実習項目も多いので仕方ない面があるが、もう少し実習での質問時間の余裕があればと思った。また、他のメーカーとの比較もしてみたかった。
  • 分析実習を全て実際に経験してみたかった。
  • 水分補給やトイレ休憩の時間はもう少し欲しい。夏場であり休みがないと厳しい。
  • 研修は、タイトな時間配分であったが、だらだらと行うより、一泊で済んだ事がよかった。
  • 簡易測定キットの実習は、もっとじっくり説明を聞きながら実習をしたかった。また、質疑応答の時間をもう少し余裕をもって取って欲しかった。
  • 実習の時間を多くとっていただけたので、満足です。講義の時間に質疑応答があまりできなかったが、情報交換会で先生方のお話が聞けたので、問題なかったです。
  • 自分の中ではちょうどよい時間配分だと思った。
  • 限られた時間の中で、充実した内容だった。
  • ある程度、落ちついて実習できる時間であったので、よかった。
  • 各メーカーさんの商品の説明をもう少し時間をかけて聞きたかった。
  • 理解が追いつかないまま進んでしまった事が多々あった。

3) 各班の(研修を受ける側の)人数は適切でしたか。

【結果】
1 適切であった 27名/38名
2 もう少し余裕が欲しかった 11名/38名
3 あまり適切ではなかった 0名/46名

4) その他、今後取り上げて欲しい実習内容や要望があれば以下に記入して下さい。

【結果】
  • 検査機関では、様々な検体種を扱うことになってきており、それぞれの試験法の開発が大変になります。色々な機関からの情報交換があると、参考になって助かります。
  • 今回のような実習に重点を置いた研修は、日頃の検査実施上の疑問が解決され、先生にも尋ねやすかった。
  • 前処理(サンプルの種類を沢山)、測定、解析についてもご指導アドバイスいただけるような機会があれば嬉しい。
  • 今後も、複数のメーカーの製品を比較出来るような実習をしていただきたい。
  • 水質試験。有害金属。油の試験について(酸価、過酸化物価など)
  • 放射性物質についての実習。トランス脂肪酸
  • 動物用医薬品の一斉分析法における測定時のコツ。HPLC,2C/MS/MS使用のコツ等
  • LCMS。LCMS/MS
  • 器具容器包装、添加物

2.講義内容について

1) 今回の講義内容について、ご意見、ご感想をご記入ください。

【結果】
  • 研修会の講義内容はとても有意義だった。特に、今回の通知法改正の背景など興味深かった。(大多数の感想)。
  • ホットな話題について大事な話をたくさん聞くことができて、勉強になった。
  • 各メーカーさんの講義については、講義より実習に時間を割いた方が理解が深いと感じた。
  • 通知法についての詳しい解説、基準値設定の背景など、改正のポイントの話を聞くことができ、通知法の理解の手助けになった。最新の情報、今後の動向についても聞けた点がよかった。
  • 試験法の詳細(陽性、陰性判定etcの基準)など、通知法を読んだだけでは理解できなかったことも解りやすくご説明いただけて大変助かりました。

2) 今後、取り上げて欲しい講義内容や要望があれば以下に記入して下さい。

【結果】
  • 水質試験、有害金属、油の試験(酸価、過酸化物価など)
  • 放射線、トランス脂肪酸、添加物等
  • 動物用医薬品の一斉分析法における測定時のコツ。HPLC,2C/MS/MS使用のコツ
  • 妥当性評価の実際の状況について
  • 残留農薬。命令検査時におけるサンプリングについて
  • 新しい基準や試験法改正の法的根拠と試験方法の説明、困難案件とその対策方法
  • 試験法を検討された先生の講義(内容が充実している)
  • 多くの検体数、様々な種類の検体を実際に検査されている検査機関の実務担当者の話題提供

3.研修会全体について

1) 研修会全体を通じて、満足いく内容でしたか。また、その理由をお聞かせ下さい

【結果】
1 非常に満足した 37名/38名
2 満足した 1名/38名
3 あまり満足できなかった 0名/38名
【理由】
  • 2日間の通知法に関わる講義、実習での様々なアプリケーションなど幅広くカバーされていて理解し易 く、また、大変有意義だった。(多数)
  • 試験法の通知発出に至るまでの説明、各メーカーの機器、消耗品等、実習も含めていたので分かりやすかった。
  • 衛研の先生方とお話が十分にできて非常に為になった。
  • 同業他社との交流を図ることができ、また、各機関の日頃の仕事上の悩みや意見等、生の声も聞くことができた。(多数)
  • 同業他社の方とお話する機会が日常全くないので、こんなに多くの方と、普段、困っていることや、検査実施上の悩みなど仕事の内容について話し合えてとても有意義な時間を過ごすことができた。
  • 10月1日までにどんな準備、対応をしたらいいのかが、分かりやすかったです。
  • 情報交換会や懇親会は、本当に楽しかったです。講師の方やメーカーの担当者の経験を交えたお話を伺い、大変勉強になりました。もう少し時間をかけて色々と話が聞きたかった。(多数)
  • 講義、実習とも、活気ある場で、楽しむことができました。
  • 他の機関の方や業者の方、先生方に気軽に試験に関わる質問やお話ができて非常によかった。またこうした機会を設けて欲しい。
  • 宿泊が施設でできるので、心おきなく情報交換できてよかった。他の研修ではこれはなかなかできないと思う。2泊3日だったらなおよい気がした。
  • 実習、講義ともに、ひととおりを体験でき、今後に役立つものになりました。懇親会等にも十分な時間がとられており、多くの方とお話する機会を与えていただけてよかったです。
  • 食検協で開催して下さる研修会の中で、この特殊技術研修会は、最も他機関の方々との交流を深める事ができる研修会であり、非常に良い研修会と思っている。準備等は大変かと思いますが、今後も継続していただきたい。
  • 特殊技術研修会以外の研修会でも、交流を深める機会があると嬉しいです。

最後に、本紙面上では割愛させていただきましたが、研修会参加者の多くの方々から講師の先生並びに作業部会の執行委員への多くの感謝の言葉が述べられていたことを申し添えます。

平成23年8月29日
食検協 事務局